
AI Overviewとは、Googleの検索結果ページの上部にAIが生成した回答を表示してくれます。
「検索したキーワードに対して、AIがまとめた回答を一番上に出してくれる」機能です。
もともとは2023年5月に「SGE(Search Generative Experience)」という名前で米国限定のテスト版として登場しました。
その後、2024年5月14日にGoogleが正式に「AI Overview」へ名称を変更。 一般ユーザー向けに本格提供がスタートしています。
2026年現在、日本でもAI Overviewは公開済みになっています。では詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- AI Overview(旧SGE)の仕組みと従来のGoogle検索との違い
- SGEからAI Overviewへ名称が変わった経緯と変更点
- 日本国内での導入状況と表示されるクエリの傾向(2026年現在)
- AI OverviewとBing AI・Gemini(旧Bard)との役割の違い
- 検索1位のCTR(クリック率)が約38%低下した調査データの解説
- AIの回答が最上部に表示されることで変わる検索結果の画面構成
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を軸にした5つの具体的な対策
- AIに「引用される側」になるためのコンテンツの作り方とチェックリスト
- 構造化データ(FAQスキーマ)の導入でAI Overviewに選ばれやすくする方法
- SEOは本当に終わるのか?2026年以降の見通しと今やるべきこと
SGEからAI Overviewへ――何が変わった?
名前だけでなく、いくつかの違いがあります。
SGE時代にはAIの回答に対して「会話形式で追加質問ができる」機能がありました。
でもAI Overviewでは、この対話機能は削除されています。 ChatGPTやGeminiのようなチャット形式ではなく、あくまで検索結果の補助という位置づけに変わりました。
また、SGEのテスト段階では検索クエリの約42%に表示されていた時期もあったそうです。
ただ正式リリース後はGoogleが頻度を調整しており、クエリ全体の10〜20%程度に落ち着いています。
AI Overviewは日本で使える?【2026年現在の導入状況】
はい、日本でもすでに提供されています。
2023年8月に日本でもSGEのテスト運用が始まり、2024年5月の正式リリース以降は日本でもAI Overviewが表示されるようになりました。
2025年3月のGoogleコアアップデート以降、表示対象となるクエリが急激に増加しています。
特にエンタメ関連では528%増、レストラン関連で387%増、旅行関連で381%増という調査データもあるほどです。
現在はChromeブラウザやGoogleアプリだけでなく、Googleにログインしていない状態でも表示されるケースが増えています。
つまり「自分には関係ない」とは言えない状況になってきたわけですね。
AI OverviewとBing AIの違い
Bing AIとAI Overviewは似た機能ではありますが、設計思想がやや異なります。
Bing AIは検索画面とチャット画面が分かれていて、ユーザーが切り替えて使う形式です。
一方、AI Overviewは検索結果ページの中にAI回答が組み込まれているのが特徴。
検索するだけで自動的にAIの回答が目に入る仕組みなので、ユーザーの行動に与える影響はAI Overviewのほうが大きいと僕は考えています。
AI OverviewとGemini(旧Bard)の違い
以前この記事で触れていた「Google Bard」は、2024年2月にGeminiへと名称が変わりました。
GeminiはChatGPTのように対話形式でAIと会話するツールです。
AI Overviewは検索エンジンに組み込まれた機能なので、役割が異なります。
整理するとこんな感じになります。
- Gemini(旧Bard) → ChatGPTの競合。対話型AIツール
- AI Overview(旧SGE) → Google検索に組み込まれたAI回答機能。Bing AIの競合
AI OverviewでSEOが終わると言われる理由
ここが一番気になるポイントだと思います。
AI Overviewが表示されると、検索結果の画面構成はこうなります。
- AIが生成した回答(AI Overview)が最上部に表示
- 右側に関連コンテンツのリンク
- その下に広告枠
- さらに下にオーガニック検索結果(僕たちのサイトやブログ)

つまり、従来は検索1位に表示されていたページが、ファーストビュー(画面をスクロールしなくても見える範囲)から完全に押し出されてしまうケースが出てきます。
オーガニック検索結果はさらにその下に出てきます。ファーストビューには一つもオーガニック検索結果は表示されなくなります。
CTR(クリック率)への影響データ
ここで具体的な数字を見てみましょう。
SEOツール大手のAhrefsが2025年12月に発表した調査によると、AI Overviewが表示されるキーワードでは以下の影響が出ています。

出典:ahrefs
- 日本市場: 検索1位のCTRが約38%低下
- グローバル: 検索1位のCTRが約58%低下
この数字はかなりインパクトがありますよね。
2025年4月時点ではグローバルで34.5%の低下だったものが、12月には58%まで拡大しているので、今後さらに影響が広がる可能性も十分にあります。
サイトやブログ運営者にとって「検索1位を取ればアクセスが集まる」という前提が崩れ始めているのは、紛れもない事実です。
そのなかでクリック率を高めるために、タイトルタグの設定方法も知っておく必要があります。
クリック率を最大化するタイトルタグの設定方法もあわせてご確認ください
AI Overview時代のSEO対策5選【E-E-A-T強化が鍵】
では、具体的にどう対策すればいいのか。
結論から言うと、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を徹底的に高めることが最も重要になります。
E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価するときに重視している4つの基準です。
- Experience(経験):実体験に基づいた情報があるか
- Expertise(専門性):その分野の専門知識があるか
- Authoritativeness(権威性):信頼される情報源として認知されているか
- Trustworthiness(信頼性):正確で最新の情報を提供しているか
特にAI Overview時代に重要なのは「Experience(経験)」の部分。
AIは大量のデータから一般的な回答をまとめるのは得意ですが、「実際に使ってみた感想」「現場で体験したリアルな声」は生成できません。
対策①:独自の体験・経験を記事に盛り込む
AIが書けない情報の代表例は「一次情報」です。
たとえば商品レビューなら、スペック情報を並べるだけでなく「実際に3ヶ月使ってみて感じたこと」を書く。
SEOの解説記事なら「自分のサイトで試した結果どうだったか」を具体的なデータとともに示す。
こうした体験ベースの情報は、AI Overviewの回答には含まれにくいため、ユーザーが「もっと詳しく知りたい」とクリックする理由になります。
対策②:AIに引用されるコンテンツ構成にする
AI Overviewから完全に排除されるのではなく、AIに引用される側になるという発想の転換も大切です。
AI Overviewは回答を生成するとき、既存のWebページから情報を引用しています。
引用されやすいコンテンツには以下の特徴があると言われています。
- 質問に対する明確で簡潔な回答が含まれている
- FAQ形式で構成されている(1つの質問に対し、2〜3文で回答)
- 箇条書きや表など、構造化された情報がある
- 情報の出典や根拠が明示されている
つまり、見出しを疑問形にして、その直後に簡潔な回答を置く構成が効果的ということですね。
Meta Descriptionの対策も必要で、詳細はこちらのページに掲載しています。
メタディスクリプションとは?SEOに効果的な書き方・文字数・設定方法を解説
対策③:構造化データ(FAQスキーマ)を実装する
構造化データとは、ページの内容をGoogleの検索エンジンに「機械が読みやすい形」で伝えるための仕組みです。
HTMLのheadタグ内にJSON-LD形式で記述します。
特にFAQスキーマ(よくある質問の構造化データ)を実装すると、AI Overviewに引用される可能性が高まるとされています。
WordPressを使っている方であれば、「Yoast SEO」や「Rank Math」などのプラグインでFAQ構造化データを簡単に追加できます。
コードを直接書く必要がないので、技術的なハードルは低いほうだと思います。
対策④:コンテンツの網羅性と鮮度を保つ
AI Overviewが引用するのは、情報が正確で最新のコンテンツです。
古い情報のまま放置されている記事は、引用対象から外れやすくなります。
具体的には以下を意識してみてください。
- 記事内の日付や数値データを定期的に更新する
- 法改正やサービス変更があった場合はすぐに反映する
- 「○年○月現在」の表記を入れて鮮度を明示する
- 競合記事にあって自分の記事にないトピックを追加する
対策⑤:著者情報とサイトの信頼性を強化する
E-E-A-Tの「A(権威性)」と「T(信頼性)」を高めるために、以下の施策も有効です。
- 著者プロフィールを充実させる(経歴・実績・専門分野)
- 運営者情報ページを整備する
- 外部の権威あるサイトからの被リンクを獲得する
- SNSアカウントと連携して著者の実在性を示す
Googleは「誰が書いた記事か」をますます重視するようになっています。
匿名の記事よりも、信頼できる著者による記事のほうが評価されやすい傾向が強まっているんですよね。
E-E-A-Tについて詳しくはこちらの記事で解説しています。→SEO対策に不可欠なEEAT対策まとめ
AIに引用されるコンテンツの作り方【実践チェックリスト】
ここまでの対策を踏まえて、実際に記事を書くときに使えるチェックリストをまとめました。
- 記事のメインキーワードで実際にGoogle検索し、AI Overviewの表示を確認したか
- AI Overviewの回答に含まれていない「独自の体験・データ」を盛り込んだか
- 見出しを疑問形にし、直後に2〜3文で明確な回答を置いているか
- FAQ形式のセクションを1つ以上含めているか
- 箇条書き・表・ステップ形式など構造化した情報が含まれているか
- 情報の出典(調査データ・公式発表等)を明記しているか
- 「○年○月現在」の日付を記事内に入れているか
- FAQスキーマ(JSON-LD構造化データ)を実装したか
- 著者プロフィールに経歴・実績を記載しているか
SEOは本当に終わるのか?2026年以降の展望
ここまで読むと「もうSEO対策は意味ないのでは?」と感じるかもしれません。
でも僕は、SEOはすぐには終わらないと考えています。
その理由はいくつかあります。
まず、AI Overviewが表示されるのは検索クエリ全体の10〜20%程度であること。
残り80%以上のクエリでは従来通りのオーガニック検索結果が表示されています。
次に、AI Overviewの回答だけでは不十分なケースも多いということ。
複雑な比較検討や、実体験を知りたいときには、ユーザーは結局個別の記事をクリックして読みに行きます。
そして、AI Overviewは既存のWebコンテンツを引用して回答を生成しています。
質の高いコンテンツが減ってしまえば、AI Overview自体の回答品質も下がってしまうんですよね。
Googleもそれはわかっているはずなので、コンテンツ制作者を完全に排除する方向には進みにくいと僕は見ています。
ただし「従来と同じやり方で同じ成果が出る」とは思わないほうがいいでしょう。
SEOの概念そのものが「検索エンジン最適化」から「AI検索最適化(AIO)」へと拡張されていく流れは確実に来ています。
AIの時代だからこそブログがおすすめな理由
SNSやYouTube・ショート動画が主流になった現代でも、実は「ブログがおすすめ」なのにはAIが関係しています。
AI Overviewが引用するのは主にWebページのコンテンツです。
つまり、しっかりとした記事コンテンツを持っているサイトは、AIに引用される可能性があるということ。
SNSの投稿は流れてしまいますが、ブログ記事は検索エンジンにインデックスされ続けます。
AI時代だからこそ、体験に基づいた質の高いブログ記事の価値は高まっていると言えるでしょう。
詳しい見解は別の記事にまとめています。 → 関連ページ:なぜAIの時代になってブログがおすすめなのか?
AI Overview(旧SGE)対策まとめ
改めてAI Overview対策のポイントを整理します。
- AI OverviewはGoogleの検索結果上部にAI回答を表示する機能(旧称SGE)
- 2024年5月に正式リリースされ、日本を含む100カ国以上で提供中
- 日本ではCTRが約38%低下、グローバルでは約58%低下という調査データがある
- 対策の軸はE-E-A-T、特に「経験(Experience)」の強化
- AIに引用されるコンテンツ構成(FAQ・構造化データ)が重要になっている
- SEOはすぐには終わらないが、AIO(AI検索最適化)への対応は必須
- AI時代こそ、独自の体験に基づくブログコンテンツの価値が高まっている
AI Overviewの影響はこれからさらに広がっていくことが予想されます。
早めに対策を始めておくことで、変化に振り回されずに済むはず。
サイトやブログを運営している方は、まず自分のメインキーワードで検索してみて、AI Overviewがどう表示されているか確認するところから始めてみてください。
2023年にSGEが発表されたときは「まだ先の話」と感じた方も多かったと思います。 でも気がつけば、もう日本でもAI Overviewは当たり前に表示されるようになりました。
だからといって悲観する必要はないと僕は思っています。
AIにはAIの得意分野があるし、人間にしか書けないコンテンツだって確実にある。
大切なのは「自分にしか書けない体験」を記事にすること。
E-E-A-Tの「E(経験)」を意識して、読者の役に立つコンテンツを作り続けることが、結局いちばんの対策になるんじゃないかなと考えています。
一緒に頑張っていきましょう。