AIで何かを生成する際のプロンプトを意識していますか?
ChatGPTやGeminiのようなAIツールを利用して文章を作成する際、
これからご説明する4つのプロンプト作成のルールをご存知でないまま指示を出していると、意図した結果が得られず非効率になる可能性があります。
AIツール利用者が陥りやすい「AI疲れ」とは?
次のような経験はないでしょうか。
- AIに詳しく指示を与えたにもかかわらず、途中で重要なルールを無視されてしまうことがあったり、必要な情報が抜け落ちたりして困ってしまう。
- 指示どおりにAIが動いてくれれば作業時間は大きく短縮できるはずなのに、なぜか確認や修正が増えてしまい、逆に疲れてしまう。
- 次々と追加で指示を出していくうちに、最初に求めていた内容からだんだんずれていってしまう。
現状、AIがユーザーのすべての指示内容を正確に反映することはまだ難しいです。
何も考えずに指示だけを出すと、例えば6つの指示を出しても、実際に反映されるのは4つや5つだけという結果になるケースが少なくありません。
このようなAIとのやり取りで生じる「AI疲れ」を解消するため、4つの掟=つまりマークダウンを効果的に活用することを強くおすすめします。
このマークダウン記号を指示文の中で上手に使うと
本当に求めている文章や生成物を、より高い精度で手に入れることができます。
この記事でわかること
- AIツールで欲しい結果を得るには、プロンプト(指示文)に「4つの掟」が必要。
- この4つの掟はマークダウン記号を活用して指示の精度を高める。
- シャープ(#)は見出しとして使い、指示の優先度と構造を明確にする。
- アスタリスク(*)は絶対条件や禁止事項を囲み重要ルールをAIに強調して伝える。
- ハイフン(-)は作業チェックリストを示し抜け漏れを防ぐ。
- ナンバー(1. 2.)は作業の順序を明確に指定して手順書などで役立つ。
- バッククォート(```)は、囲んだ部分が「参照資料・サンプル」であり命令ではないことをAIに伝える。
それでは早速、AIプロンプト作成において重要な、マークダウンの4つの使い方を一つずつ詳しくご紹介いたします。
1. シャープ(#)見出しで指示の「優先度・構造」を明確にする
シャープ(#)記号、ハッシュタグとも呼ばれるものを活用します。
この「#」を見出しとして使うことで、指示の構造をはっきりさせることができます。
使い方のポイントは、「#」が「最重要の指示」であることを明確にし、命令の階層(目的→タスク→詳細)を作り上げることです。
具体的なイメージは次のようになります。
# =大テーマ:これが最も重要度の高い指示です。 ## =中テーマ:大テーマの詳細やサブタスクを示します。 ### =小テーマ:中テーマをさらに細かく具体化した部分です。人間同士の会話では曖昧になりがちな指示の優先順位を、AIに対してはっきり伝えることが可能です。
2. アスタリスク(*)で「必ず守ってほしい指示」を強調する
アスタリスク(*)記号を使って、絶対に守ってほしいルールや禁止事項をAIに強調して伝えます。
「**価格情報は絶対に含めない**」例えばこのように書くと、重要なルールをAIに忘れさせません。
アスタリスクで囲むことで、その指示が特別に重要であることを強調する効果があります。
指示の例を箇条書きで示します。
**価格情報は絶対に含めないようにしてください。** **です・ます調の丁寧語を必ず使用してください。** **すべての出力を日本語で実施するようにしてください。**特に守ってほしい内容や絶対に外せない条件をAIに念押しするために、アスタリスクは役立ちます。
3. ハイフン(-)とナンバー(1.2.)で「作業チェックリストと手順」を指定する
ハイフン(-)記号はチェックリスト形式で実行項目をリストアップする際に使用します。
「何をやるか」を分かりやすく指定し、作業の抜け漏れを防ぐために効果的です。
チェックリストの例をご覧ください。
-文章全体で日本語200文字以内にまとめてください。 -各要点の本文は3行までと限定してください。 -具体的な提案を5つだけ提示するようにしてください。単に「丁寧な言葉遣いで」と書くよりも、このようにチェックリストとしてハイフンを使って指示に入れておくことで、AIが必ずその条件を満たそうとする確率が上がります。
同時にナンバー(1. 2.)もチェックリストと同様に重要です。
特に作業の「順序」を絶対に守りたい場合は、「1.」「2.」のように数字で明確に示します。
手順書の例です。
1. 受電(電話に出る)の段階から始めてください。 2. 次に、要件の確認と取り次ぎの段階に進んでください。 3. その後に、用件の処理と対応の段階を実行してください。 4. 最後に、終話(電話を切る)の段階で終了してください。電話対応の台本や手順書など、順番が入れ替わると困る場面で、ナンバーは特に威力を発揮します。
4. バッククォート(```)で「参照資料・引用内容」だと伝える
三つのバッククォート(```)で囲むことで、その中身を「参照資料」や「サンプル」としてAIに伝えることができます。
文章作成を行う際には、見本や引用文があるとAIの理解度は格段に高まります。
バッククォートを使った引用文の例です。
``` ・「普段、どのような生活リズムで過ごされていますか?」 ・「体調面で、特に気をつけていること、配慮が必要なことはありますか?」 ・「どのような業種や職種に興味がありますか?」 ```強調指示を何もしない状態で引用文を掲載すると、AIに「指示」と誤解されてしまい、生成物の精度が下がってしまう可能性があります。
AIはバッククォート(```)で囲まれた部分を見てそれを「改変して良い命令」なのか、それとも「単なる参照データ」なのかを判断できるようになります。
特に既存のQ&Aの一覧や仕様書、サンプル文章などをAIに提供する場合に非常に有効です。
囲んだ部分は「参照であり、命令ではない」と明確に区別したい時にバッククォートを活用しましょう。
推奨するプロンプト構造
4つのマークダウンを踏まえて、私が実際にプロンプトを作る際の構造はこんな感じです。
# 目的を入れる ##禁止事項 **指示内容を入れる** ##必須事項 **指示内容を入れる** ## 出力する内容 -箇条書きで入れる ###基本姿勢 -箇条書きで入れる ###出力形式 -箇条書きで入れる ###ペルソナやターゲット像 -箇条書きで入れる ###参考資料 -三つのバッククォート```を入れる ※重要な個所はアスタリスクで使って遂行率を高めるシャープで3段階の構造を作り、重要な個所はアスタリスクで使って遂行率を高める。
そのうえでハイフンやナンバーで解りやすく内容をまとめ、バッグクォートで事例を見せつつ、プロンプトをしっかり作ります。
AIプロンプトの作り方まとめ
今回ご紹介した4つのマークダウン記号を使うプロンプト作成の掟を理解していただけたでしょうか。
(シャープ)、(アスタリスク)、(ハイフン/ナンバー)、(バッククォート)を組み合わせることで、AIへの指示は劇的に正確になります。
曖昧な指示による「AI疲れ」を解消し、求めるアウトプットを高精度で得ることが可能です。
まずは一つからでも、今日からのAIツール活用に取り入れてみてください。
指示の質を高めて作業効率を次のレベルへ引き上げましょう。
